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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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最悪だ。どうしてこうも見抜かれてしまったのか分からないが、最悪だ。
いつも避難場所にしている屋上は避けて新校舎裏にわざわざ足を運んだというのに、折り目正しく制服を着込んだ幼馴染みが満面の笑顔で待ち構えているという事態にユーリは小さく舌打ちをした。
僅かに幼馴染みの整った眉が上がる。
「……ユーリ、逃げ切れるとでも思ったのかい?」
「フレン。お前、相当暇だなぁ」
強い口調で問う相手に対しユーリは肩を竦める。
生徒会長なんて忙しい立場にありながら、自分一人の為にわざわざ用もないこんな所にまで足を運んだらしいフレンに対しては尤もな言葉だと思った。
なのに相手は溜息を一つ。
まるでユーリが悪いとばかりに首を振って、
「暇なわけがないだろう。君が捕まらないから、僕が来たんだよ」
そんなことを言う。
陽に透ける淡い金の髪を揺らして、空や海に似た瞳が僅かに細められた。

―ああ、これは相当怒ってる。

そう分かりはしても、特段相手を困らせたつもりも、困った事実もあったようには思えない。
だから笑った。
「あのなぁ、オレ一人なんかに構ってないで会長様は生徒会の仕事でもしてろよ」
「これも生徒会の仕事の一環だから」
さらりと流されて、笑みを浮かべるのに決して笑ってない幼馴染みの顔を見詰める。
このまま大人しく連れて行かれなければ、たぶん拳の一つや二つは貰うんだろうと予測した。
金髪碧眼の優男風の外見にそぐわずフレンは喧嘩が強い。殴り合いに喧嘩が発展して負けることだって多々あった。
「……お前ね」
相手の実力が分かっているからこそユーリは手を出す喧嘩にまでしたくないのだ。自分も痛いが、相手だって決して無傷ではなくなる。
教師達の受けが良いフレンでも怪我をするほどの喧嘩をすれば、流石に何かしら咎められてしまうだろう。
溜息を吐くユーリの心情を知ってか知らずか、伸びてきた腕がユーリのだらしなく制服を捲った腕を掴んだ。
ぐっと強く握られ、距離を詰められ、真正面で有無を言わさぬ口調で笑われてしまえばユーリは何も言えない。
「今日はユーリの負けだよ。大人しくして?」
なんで、オレとこいつは幼馴染みで、挙げ句親友なんだろう。
内心毒づいてユーリはお返しとばかりに親友の眼鏡を奪い取った。
僅かに眩しさが変わったのか瞳を瞬かせる幼馴染みは一瞬視線を落とした後、掴んだ腕はそのまま歩き出す。
全て打ち合わせたかのようだった。
「説教は手短にしてくれよ? 退屈だと眠くなっちまうんだよ」
「どうだろう。君が少しでも反省して、問題を起こさなくなったら考える」
奪った眼鏡が邪魔で気まぐれに掛けたユーリには、僅かに度の入ったレンズ越しに見えた世界が酷く歪んで見えた。


>>学パロフレユリ。眠さのせいでよく分かりません^q^

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