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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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「少し出掛けます。リドナー、申し訳ありませんが車を出して下さい」
ニアがそう言って指定した場所に、その場にいたレスターとハルは少し驚きながらも頷くだけに留めた。
すぐに回された車の後部座席に大人しく座り込んだニアは防弾ガラス越しに空を眺める。偏光された空は本来の色を誤魔化して、灰色に近い色に見せる。
月と対峙した日は本当にどんよりとした空だった。季節も冬でいつも薄着のニアは特段平気な顔をしながら、それでも寒いと思っていた記憶がある。勿論、幼少を過ごした英国よりは寒くなかったからこそ出来たことだったが。
「……ニア」
黙って車を走らせていたハルが控えめに声を掛けた。気付けば車は停まっている。
「ああ、すみません」
いつもは直ぐに反応を示すニアが苦笑した。自分が指定した場所に着いたことに気付かぬほど思考を投げ出していることなど珍しい。
既に一台、黒い車が隣にあった。
「……ご苦労様です、ジェバンニ」
車から降りて声を掛ければ、車の側で立っていた男が「いいえ」とだけ返す。それにニアは緩く頷いて先程までステファンの見ていた方向に視線を向けた。小さな人影が一つ、其処にある。
「すみませんが、二人とも此処で暫く待っていて下さい」
それだけを言い置いて歩を進める。相変わらず閑散と、いやそれよりも寂しさばかりが積もるような場所だ。
風が癖のあるニアの髪を掠っていく。顔に掛かる前髪を押さえて、小さな人影を視界に捉える。
父親譲りの、亜麻色の癖のない髪が同様に風に攫われて揺れていた。じっと前を向いたまま動かない子供の眼前には一つの墓がある。
「母さん」
声をどう掛けようかと口を開いたところで、タイミングを計ったようにユイが振り向いた。
にこりと笑った表情をどう受け止めて良いのか分からず、ニアも曖昧に笑って返す。
「寒くないですか?」
季節は過去訪れた時とは違い冬ではないが、けれど吹き付ける風は体感温度を知らずに下げる。気遣う母親の言葉に子供は緩く首を振っただけだった。ゆっくりと沈黙が落ちる。
仕方ないことだと結論付けてニアはユイの側にまで歩み寄った。子供は拒む様子もなく目の前に来たニアの白い手に触れる。
幼い時のように手を繋ぐ。自主的な行為にニアも何も言わなかった。言えなかった。
「行っちゃったよ」
「そうですか」
誰が、とは言わないユイの言葉が誰に対して使われたものなのか理解している。ニアには見えていなかった。ユイには見えていた。―彼のことなのだ。
「笑ってた」
「……え?」
狡いよね、とユイは少しだけおどけて見せて笑おうとした。
「ユイ」
かち合った視線の先で泣くのを必至で堪える自分の子供の感情にさえ疎いニアではない。ただ普段通りに名前を呼んで、繋がれた手はそのままに姿勢だけを変え、そっとユイの肩を抱いた。聡い子供はきっと最初に有り得ない事象を受け入れた時から別れを覚悟していたに違いない。
見えないからこそ知らない、聞こえなかったからこそ知らない。
短い期間の中でユイと月が築いただろう関係は決して簡単にお終いだと言い切れるものではなく、幼い子供のように泣きじゃくるわけでもなく繋いだ手の力だけを強くしてユイは静かに涙を落とす。
笑ったから、ユイも笑って見送ると決めた。
居なくなったのか、自分が見ることが出来なくなったのか分からない別れ方だった。
輪郭が呆けるよう、結ばれた焦点が解けるように消えていく月はただ笑っていて、それ以外は何もなかった。不思議な感覚だがすとんと「ああ、時間なのだ」と納得してユイも笑い返した。
きっと間違っていない。
「母さん、」
「はい」
「僕、頑張ったよね」
「はい」
何を、と言わないユイの声は震えて嗚咽が混じった。本当に物心がつく前にあやしたようにニアは子どもの頭を撫でる。癖の無い髪がさらさらと指先を滑っては落ちていく。
簡単に数えられるほどの時間。一ヶ月にも満たない期間。その中で整理出来ないほどの思いや真実、全てをユイは受け取った。
今、出来る精一杯で理解出来るものは整理し、理解出来ないものは有りのままに受け入れた。
決して良いことばかりだったとは思わない。父親が世界を揺るがせ、恐怖にさえ陥れたと言って良い大量殺人犯であったことは矢張り子どもにとっては重過ぎる真実だった。
けれど最後に思ったのは本当に単純に”会えて良かった”だったのだ。
小さい頃から覚えの無い父親の姿も声も考えも、本来ならば触れられる筈も無かったもの全てに触れられたことが、切ない事だと理解しながらも嬉しかった。
嗚咽で震えていた呼吸を、少しずつ深呼吸をする事で押さえ込みながらユイは目を瞑る。
目を閉じればまだ笑っていなくなった月が目の前にいるような気さえした。
優しく何も言わず抱きしめるニアの体温は染み入るように温かく、ぼんやりとユイは先程言われた言葉を思い出す。
伝えなければならない。
今度は声が震えないよう、大きく息を吸って整えてから丁寧に言葉にした。
「簡単に死ぬなよ」
それは月を真似た口調で、まだ幼い声で。
一瞬ニアの頭を撫で続けていた手が止まる。それに合わせてユイが顔を上げた。
「伝言」
「……、そうですか。相変わらず勝手な人ですね」
見上げたニアが浮かべた表情は、今まで見たことが無い感情の混ざったもので、その後困ったように笑う。
「愛していたのか」と問えば「違う」と返って来るであろう感情の複雑さはユイにはまだ理解出来ない。もしかしたらこの先ずっと理解出来ないものなのかもしれない。でもそれで良い。全てを理解出来るはずが無いからこそ理解しようと努力しなければならないのだから。
ニアが浮かべた表情は月が最後に浮かべた表情に良く似ている。それが答えな気がした。
空いた方の手で目元を強引に拭うとユイは微かに笑う。無理に笑えば名残のように、涙が一筋零れた。
「……帰りましょうか。随分冷えてしまいました」
風に攫われそうな微かな声でニアが言う。頷いたユイは一度も自分から繋いだ手を離さなかった。
ニアもそれを咎めず二人でゆっくりと墓標から離れる。
「……さよなら、父さん」
肩越しに振り返って呟いた先、その墓標には”夜神 月”と名が彫られていた。


***


名を、どうしようか。
重いようで軽い腕の中の重みを見下ろしながら、ニアは思う。生まれたばかりの子どもはすやすやと寝息を立てていた。
片手でも抱えられる小ささと重みは、それでも一つの命で尊い唯一であると思えた。
子どもを生涯産みたくはないと思っていたはずだったのだが、思わぬ方向に捻れ今は存在している。それが可笑しいような気がしたし、温かい体温に当然かもしれないとも感じた。言い知れぬ不思議さでニアは子どもを見詰める。
たぶん外見は自分より父親に似るだろう。まだ断定は出来ない事だが顔立ちに面影が見えた。
「ニア?」
心配そうに声をかけてきた初老の男性にニアが「なんでもない」と首を振る。
じっと腕の中に視線を落としたまま、逸らさないニアの様子に言い辛そうに躊躇ってから初老の男性が声を掛けようとした。
「この子は私が育てます」
掛けられる言葉を予測していたのか、視線をゆっくりと男性に向けてニアが言う。無茶だと反射的に出かかった言葉を初老の男性は何とか飲み込んでニアを見詰めた。強い意志が込められていて、何を言っても無駄だと理屈ではなく本質で理解する。
「……子育ては楽ではないよ、ニア」
「そうですね」
遠回しに非難すれば、どこ吹く風の返答が戻ってくる。
「でも決めました」
きっぱりと告げたニアが笑う。今まで浮かべた事のないような笑顔で笑う。
数秒の沈黙の後、初老の男性は全てを理解したかのように頷いた。元々自分の生活さえ無頓着なニアのことだ。仕事面だけでなく生活面、子育ての面でもサポートしなければならないだろう。
それでも良いと思えた。腕にしっかりと生まれたばかりの赤ん坊を抱き、穏やかだが芯の通った笑みを浮かべるニアを見てしまっては、そんな思いは全て吹き飛んでしまう。
「分かった」
それだけを言ってニアの腕の中にいる赤ん坊を覗き込む。健やかな寝息を立てる表情は穏やかだった。
ふ、と子どもから視線を逸らしたニアの視界に、窓の外で本来の開花時期から少し遅れて咲く花が映り込んだ。風という言葉に由来する名前の花は微かに揺れて、何となく花の意味する言葉が頭に浮かべばもういない子どもの父親に似ている気がした。
「貴方は育てられないんです。名前くらい一部貰いますよ?」
病室を出る寸前だったロジャーが何事かと振り返る素振りを見せたが、声は認識出来たものの言葉は拾えず肩を竦めて部屋を後にする。
「――、貴方の名前ですよ」
ロジャーが出て行ったのを見届けてから、ニアは大切なものを教え込むように大人しく寝入る子どもに語りかけた。
それが、名だった。




>>パラレルif13話目。デスノが13巻なんでそれに奇しくもあって良い限り(苦笑)
   ユイの名前は漢字一文字で「月」。
   そして風に由来する花の名は「アネモネ」。
   花言葉は「期待」「はかない夢」「薄れゆく希望」「はかない恋」「真実」「君を愛す」。

   無事に終わらせられて良かった。一先ず幕を下ろします。

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子供の純粋な問いと言うよりは、何か意味合いを含めた問いに漆黒の髪を揺らして世界の切り札は首を傾げた。
おや、と言った言葉は存外穏やかさを含む。
「で? どうなんだよ」
丁度腰の高さより上の位置ほどの子供が興味津々に答えを急かした。
一歩後ろで視線を外さず見詰める真白な子供もまた矢張り答えが気になるらしい。
「……困りましたね」
見上げられて強請られてしまう形に奇しくもなっている状況に、大して困っていない口調でLは呟いた。
質問を投げかけたのは答えを急かした金髪の子供でも、じっと様子を窺う真白な子供でもない。同年代の二人とは違う人懐こい笑みを浮かべる子供だった。
「マット、」
「うん」
子供の問いはこうである。
”Lは誰かの誕生日を祝ったことはあるの?”
それは純粋な好奇心で構成された質問であるのと同時に、一種人間味の欠けた男が人間であることを確認するための行為にも思えた。どの答えを返しても三人の聡い子供は真意を探ろうと思考回路を働かす。
全員が違うプロセスで、優れたロジックをもって。
「ありますよ」
ならば変にはぐらかさない方が良い。思考の読めない笑みを浮かべて答えた男に三人は全員違った反応を見せた。
金髪の子供は詳細を知りたいと興味深そうに、白い子供は答え自体を疑うように、そして問いを投げかけた子供は答えを受け止めるように。
この三人の中では、年齢では丁度真ん中に位置するマットが一番精神的には大人なのかも知れない。
そう考えて様子を窺っていると小さく電子音が鳴った。
「……ワタリですね」
くるりと無造作に置かれたパソコン画面に表示されたアルファベットが回る。
一斉に画面に向けられた視線の先で、丁寧な口調が流れ出した。
『L、そろそろお時間です』
「ああ、分かっている」
事務的な言葉は時間がないことを告げる。
僅かにドアノブの回る音に振り返った子供達の視界には折り目正しくスーツを着込んだ初老の男が映り込む。
「そうそう、私はワタリの誕生日も祝ったことがありましたよね」
子供達の答えの続きを繋いでLは、穏やかに笑んだ初老の男を見詰めた。
「そうですね」
すぐに返ってくる言葉は口裏を合わせたかのような隙の無さで、逆に子供達は笑ってしまう。
つまりは何か。
この手の質問に正直に答えたことを、こんな間接的なやり方で世界の切り札である存在は教えたのだ。頭の回転の速い子供達の表情は既に答えを得ている。
「それじゃ、三人ともお元気で。私はもう行きますよ?」
裸足のままぺたぺたと部屋を去っていく背中に、三人がそれぞれ「気をつけて」と投げかけた。
肩越しに振り返った男が分かるか分からないかの微かな笑みで応える。
ぱたりと乾いた音を立てて占められた扉に隔たれた空間に残された子供たちは、視線を見合わせた。

「聞くのは野暮だよな」
「珍しく嘘を吐いていませんでしたね」
「……気にはなるけどな」

人間として凡人と掛け離れた様相の彼がどんな風に誕生日を祝うのか。
在り来たりな言葉で誕生日を祝うのだろうか。
それとも今のように分かりづらい言葉で何かを伝えるのだろうか。
それを考えるだけでも面白い。
もっと面白いのは相手は、引き合いに出されたワタリだけではないと言うことだ。
「彼女、だったりして」
「いないだろ、そんなの」
「私もそう思います」
口々に好き勝手言い合って、三人は小さく笑みを零した。
絶妙のタイミングの良さで一度閉じられた扉が開く。隙間から顔を覗かせた噂の人物は、底知れぬ深い色の瞳を細めて、
「ああ、そうそう。何もお祝いごとは誕生日だけじゃありませんね」
と飄々とした口ぶりで言い残す。
それだけを言いに戻ってきたらしい。痩身の男がにやりと笑って一度途中まで開けた扉をもう一度閉めていく。
扉に隔たれる残像を追いながら結局、簡単に断ち切られた空間に残った三人のうちマットが声を上げて笑う。
「ああ、らしいよなぁ」
「……?」
部屋に放置されたディスプレイの文字がいつの間にか変わっている。
12月25日、その日付けが画面上小さく表示されてたのと同時に、赤と緑、そして白を基調とした画面に切り替わった。
なんとも血色も体格も悪いサンタクロースではないか。
自動的に開いたメッセージは通常では解けるかも分からないような高度な暗号文で、一緒に隣の部屋に一人ずつプレゼントがあることも書かれている。
マットの覗き込んでいたディスプレイを背後から覗き込んだニアとメロもそれに苦笑した。
クリスマスを迎える子供たちを祝う言葉に、添えられたひと言。


―祝うなら、こんな風にですよ。

地味だけれども生半可ではなくて、それでいて妙に大胆なやり方は確かに彼の人の祝い方に相応しかった。



>>某所での旦那さまMさんの誕生日に捧げるもの。
   時期がちょっとずれちゃったので、クリスマスを被せてあるんだけれど
   実はそれさえもずれちゃったっていうオチつき…^q^
   後で本人に渡してきます。LMMNって可愛いよね

切っ掛けは些細なことであった筈だ。口論にまで発展した言い合いは既に子供染みた様相まで滲ませている。
結論は同じであってもプロセスは違う、そんな当たり前のことを互いに認めたくもなく言い合った末に
「馬鹿を言うんじゃない」
唐突に肩を掴まれて真っ直ぐに見詰められて息が詰まりそうになった。どうにもこうにも呼吸を忘れそうになるのを辛うじて口を開けることで小さく息を零す。
嗚呼、何故こんな時だけ彼は純粋さを否応なしにも見せつけるのだろう。
「……離して下さい」
ぐっと力の込められた腕に抗議するように僅かに袖を引っ張ってやった。我に返ったかはっと息を飲んだ彼が腕の力を弱める。同時にするりと身を躱して僅かに避けて、じっと彼を見詰めた。
嗚呼、何故本当にこんな時にだけ。
「……月君、知っていますか?」
息苦しい。
普段何も考えずに出来る行動が出来なくなる。呼吸は、意識してするものではなく無意識に人間が活動するため、機能するためにする筈のものでなければならない。意識的は深呼吸は兎も角。呼吸法の改善は兎も角。
呼吸自体を忘れるなんてことはあってはならない。
ともすれば死に直結するのだ。
「…何?」
「私は、時折」
そう考えれば、最初から死への道は示されていると考えれば良いのか。
「竜崎、」
名前を呼ぶことで遮った月は既に先の言葉を知っている様子で頭を振る。それに緩く笑って見せるしかないのだ。
もう一度「馬鹿な考えは止せ」と落とすように呟かれて、また酷く息苦しさを覚える。
優しさや暖かさを知らないわけでも何でもない。違う。これは、彼にだけ感じる一種の固執が身体に表れたものなのかも知れない。それさえもおかしい。
屹度、潔癖にも似た純粋さを内包する彼には理解することは出来ないだろう。
寧ろ拒絶されてしまうに違いない。
「僕だって、苦しい」
しかし簡単に竜崎の考えを打ち破った月が眉間に皺を寄せた。
何か考えている時のそれではなく、単純明快な答えに沿っての無意識的な行動に信じられないくらいに、侭ならなかった呼吸が再開される。
針が戻ったかのような感覚に、訳が分からなかった。
「……、はい」
息を吐き出すように何とか返事をして下を向く。
裸足の爪先が見え、それが自分のものであるのに酷く遠く感じられた。距離ではなく感覚。
「月君」
今度は自然と名を呼べた。理由を知った身体は順応が早い。心よりも早い。
「貴方が、キラで良かったのか」
「僕はキラじゃないよ」
「キラじゃない方が良かったのか分からなくなりました」
「だから、キラじゃない」
きっぱりと言い切る月の言葉を受け入れず微かに首を振るだけに留めた竜崎が、じっと底知れぬ目で月を見据えた。
それは逃げ切れぬ運命を互いに知った瞬間の再来にも似て、今度こそ月は「馬鹿を言うんじゃない」と言うことが出来なくなる。呼吸はまだ出来る。
「月君、沈黙は肯定と取ります」
さらりと述べた竜崎の表情を月は読み取れない。
信じられないくらいに呼吸は楽になる。覚悟が出来たのか諦観したか。
「反論しても肯定だろ?」
「その通りです」
「なら、意味無いじゃないか」
「ありますよ」
月の言葉に心情を読み取らせない笑みを浮かべて、言葉を乗せる。
いつだって言葉は真実映しながら虚実を生み、疑惑を引き起こす。惑わせるのに十分なコツを掴めば真実さえ虚偽と錯覚させることが出来る。それを知っているからこそ、
「月君、言葉を聞かせて下さい?」
真実を分からぬように本心を言葉に織り込むのだ。
「嫌だね」

それじゃ、お前の思う壺だろう? 誰がしてやるものか。

唇だけで象る言葉に声は伴わない。呼吸を次に忘れそうになる瞬間はきっと真実を手にする代わりに何かを失う瞬間だろう。
確信めいた予感に僅かにふるりと首を振って笑った。
「でしょうね」
負けず嫌いの二人が、互いの命を掛け世界を舞台とした静かな遊戯は一つ病を内包している。
それが何なのか目を背けたまま病も進行する。
きっとただ呼吸を忘れてしまった方が楽なのだ。
互いに分かっているからこそ、認めない。遊戯が終わった時に残る結果よりは遥かにずっと楽であることなど。
負けず嫌いの二人が認めるはずがなかった。


>>簡単に端的に。
   二人が互いに惹かれていたのなら、きっとこんな心地だったのかな。
   途中で記憶をなくす方法を取った月はある意味、この気持ちからも一端リセットされたのだから、Lの方が矢張り精神的に強い気がするよ…って話。

人気のない敷地内に滑り込んだ黒塗りの車がエンジンを停める。
「此処は?」
サイドブレーキを引く軋んだ音を耳にしながら、ユイは見覚えのない外の景色について運転席に問いを投げかけた。
肩越しに振り返ったステファンは緩く首を振ったのみで言葉は返さない。答えを口にすることのない仕草にユイが小さく溜息を吐く。つまりは自分で、ということだろう。
「下りて平気?」
「ああ」
やけにすんなりと了承したことに首を傾げながらユイは車を降りた。おざなりに打たれたコンクリートの割れ目から雑草が生えている。
古びた墓ばかり並ぶ場所は気味が悪い印象よりも先に閑散とした寂しさを抱かせる。余り管理されていないのだろうか。
「……」
ぐるりと一通り見渡したユイが、遅れて車を降りたステファンに視線を向けた。朝起きたらテーブルの上に母親のメモが残っており、書かれた通りに迎えに来た車に乗り込んで今に至る。何か意味があるのだけは分かるが、何も知らされてはいない。
挙句、今日は朝から月の姿が見えなかった。
月が自分に着いて回っていた僅か数週間が、非現実的だというのに当たり前になってきていた事実に人間の順応性を思い知った気がしてユイは内心淋しく思う。有り得てはならない事象。いつ醒めるかも知れない夢だと思いながら過ごしていたのが、ニアに話したことで現実に確実に繋がった。
年齢にしては大人びた思考と両親から継いだ才覚によって、既に死んでいる筈の月が何らかの形とは言え世界に在る事が現実的に有り得ないと初めて会った時に結論を弾き出した。今も頭の中で考えが変わることはない。
有り得る筈の無い出来事が現実に起こったとして、それがいつ元の状態に戻っても不思議ではないのだ。
寧ろ、死んだ筈の存在が限られた人間のみとは言え認識出来る現状の方がおかしい。ある日突然夢から醒めるように何事も無い日常に戻る方が自然なのかもしれない。
しかし頭で弾き出す答えと心が望む事は不一致である場合は少なくない。
保証のない毎日、朝が来る度に月が何らかの声を掛けて寄越す。数週間のうちに、それに慣れてしまったのだ。出来ることなら、このまま続けば良いと子供らしい希望さえ持って。
「母さんは、」
「暫くしたら来るよ」
知らない場所に連れてこられ、無闇に歩き回るのは如何なものかと思案したが、車から降りて平気だとステファンが言ったことを考慮すれば安全なのだろう。
「少し、見て回っていい?」
寂しさだけが漂う墓地の何を見て回るのかと訊かれれば、何とも答えようが無かったがステファンは頷くだけだった。
土と砂利の混じったコンクリートの上を歩けば幾ら音を立てずにと思っても音が上がる。
敷地内にある古い墓は注意深く見れば、一応管理されてはいるようだ。墓の状態は悪くない。
寂しさを感じたのだとすれば、きっとどの墓の一つにも弔花が無いからだ。誰も訪れない、そんな世から隔絶されたような感覚。
名前さえ彫られていない墓もある。時間と共に少しずつ薄れて今はもう判別出来ないものもある。
この墓地は既に殆どの人から忘れ去られている、そんな場所なのかもしれない。
「……父さん」
そんな中で人影を見た。亜麻色の癖の無い髪にシンプルなスーツを着込んだ、正しくそれは月だ。
墓の立ち並ぶ場所から少し距離の在る所に立つ姿にゆっくりと近づく。
影になって見えなかったが、月の目の前にも一つ墓標があるようだった。
「あいつなりの最後の嫌味だと思うか? これは」
静かな声が言う。
月の言葉に歩みを止めたユイが首を僅かに傾げた。意味が分からない。
「何が?」
「いや…、お前なら僕よりは分かるだろうと思っただけだ」
何より一緒に過ごしてきた母子だろうと呟かれた声が風に浚われていく。
肩越しに振り返った月が微かに笑った。
有り得なかった筈の日々に終わりが来たと言外に告げられたような、消え入りそうで優しい笑みだった。
「父さん」
「名前なんて残さないと思っていたよ」
視線を前に戻し墓標をなぞる仕種に、ユイは一歩踏み出した。月の前には比較的新しい墓標がある。
それが誰のものであるのかなど言われなくても分かっている。
今まで来たことはない。けれどこれは父親の墓なのだ。本来ならば墓標の下で月の身体は疾うに朽ちている筈だ。
生前の面影などは見える筈も無い。尤も墓を暴こうなどという考えは微塵も起きないし、その為に此処に連れて来られたのではないとユイは確信している。
今日、此処に来た意味は違うのだ。
「お前、誕生日だろう」
ごく自然に月の口から零れた言葉にユイは瞬時に返せなかった。
一拍充分な間を置いて瞬きを繰り返した後、振り返らない背中に返す。
「うん」
「僕からやれるものは少ないが、たぶん最初で最後だからな。何か欲しいものがあれば言うと良い」
「ねぇ、父さん」
「……ん?」
「今日でさよならなんだね」
言葉や態度の合間に見える事実に子供らしく我侭を言えたら良いのにと思う。
みっともなくても構わないから駄々を捏ねてみたって構わないとさえ思うのに、ユイは月の隣まで歩を進めて笑っただけだった。
複雑過ぎる思いもある。
今は自分にしか見えない父親は生前、世界中を脅かした”キラ”本人なのだ。
直接的な方法でないとはいえ、手に掛けた命は信じられないほど、償い切れぬほど多い。
「本当…可愛くないやつだな、お前」
大人びた返事と態度に月が苦笑する。初めて会った日にも同じようなことを言われた。
「だって父さんと母さんの子供だもん」
そう言えば一緒に過ごした数週間のうちにも何度か言われたなと思い返しながら、月が最初に可愛くないと評した時に理由にした言葉を口にしてやる。隣に並んで、月を見上げてユイは同じように苦笑した。
「ああ、本当…そうだな」
月の言葉が風に浚われるほど静かに落ちる。
「僕、此処には初めて来たよ」
風が揺らす遠い葉擦れの音を聞きながら、癖の無い髪を弄られながらユイは目の前の墓標を見詰めた。
特段変わったものでも無い墓標の下に眠る男が、嘗て世界の有り方を変えようと世界を揺るがせた人間であるなど誰が分かるだろう。
「知らずに育てられてきたんだろう? 此処に来ていたらお前は名前を知っていたことになる」
「そうだね」
「……でも、あいつの判断は間違ってない」
「そう?」
「父親が近年稀に見る大量殺人犯なんて知らなくたって良い話だ」
さらりと重い言葉を吐き出して月は小さく笑った。
「でも、父さんは自分が間違ったなんて思ってなかったんでしょ? 誰かがやらなくちゃいけない。それは自分だと思って、それで全て理解して覚悟した上で選んだことだった」
「ああ。それが僕の正義だと思っていた」
「……過去形なんだ」
「いや、今でもそれを過ちなどと認めるつもりは無い」
きっぱりと言い切る言葉には何よりも強い意志がある。認めるつもりが無いのではなく、最初に選んだ上の道が命を摘み取る覚悟を内包していたのなら、過ちと認めた瞬間、そこまで歩んできた自分と巻き込んだ全てを否定するに等しいのだと言っている気がした。
だから月は自分の行動を、選んだ道を、ただの殺戮であったなど認めない。
「父さんって、相当負けず嫌いだね」
「知らなかったのか? 僕はどうしようもない負けず嫌いなんだ」
「うん」
「………『私も、貴方と同じです』」
ぽつりと思い出すように、呟かれた言葉にユイが顔を上げる。
「…え?」
「あいつの言葉だ。…僕とあいつが会った頃にはもう世界はキラに傾いていた。正義という曖昧なものが一つの形になる寸前だったと言っていい」
「母さんはなんて?」
「何が正しいか正しくないか、正義か悪かなど誰にも分からない。……神という存在があり教示を示したとしても、一考し、正しいか正しくないかは自分で決める」
月の口から聞く言葉はいかにも母親らしい言葉だ。ユイにとって母親という存在はニア一人であり他がどうであるかなどは分からないが、ニアはそういう人間だ。
酷く頭の出来が良い割りに感情表現が苦手で、それでいながら自分の中に揺るがない意志がある。
「自分が正しいと思うことを信じ、正義とする。そこは僕と同じだといった」
しかし”キラ”として月の取った行動をニアが赦すわけがなかった。ユイにはそれがよく分かる。
「難しい話…」
息と共にユイの口から零れた言葉は正直な感想だった。難しいロジックを組み立てられるほど、他者よりも優れた読みの良さがあるほど、見失いがちになることもある。
人は個体差はあれ、考える生物だ。自身が触れた経験や思想を元に自らの価値観を見出していく。世界全体を見通す能力が無くても一人一人の価値観が存在するのだ。価値観は押しつけられ、抑えつけられるべきものではない。まして、たった一人の価値観の生んだ正義を基準として世界は築かれるものではないのだ。
だからこそ難しく侭ならず、もどかしい。
一人一人見えぬ努力が重ねられることによって、信じられないくらいに途方もない長い時間を掛けて社会はここまで歩み続けた。
自分たちの住む世界とは、そういうところだ。
「でもニアの言葉より、お前が前に言った言葉の方が堪えたよ」
とは言え人は弱い。誠実であり続けることは難しく、簡単に楽な方に流れていく。考えることは時に苦痛さえ斎し、何も考えない方が楽で良いと流される者も多い。無為に過ごすその時間、存在。けれど、それは全く何も考えていないと結論付けられるものでもない。
考え無しの凡人の考えが時に天才の考えつかぬものを見出す時さえある。
それこそが世界が等しく全てのためにある証拠とさえ思えるほど。
「…僕?」
「前に言っただろう? お前」
「何か言ったかな」
「自分の目に映る世界は、自分と同じ筈なのに他者には違って見えている。そう思ったら面白い」
首を傾げたユイに月が言い聞かせるような優しい声音で答えた。
「僕が目指した世界は、……いつからかは覚えてないが少しずつ最初に抱いた新世界の像から捻れたのだけは自覚している。人間は然るべき様、役割を持って生きるべきだとさえ考えていた。その世界ではお前の考えは生まれない」
「確かに最初に与えられたままに生きた方が簡単だし、幸せかもね」
「ユイ」
「考えて迷わなくて済む分、ある意味優しい」
分からなくなる。生きていて良いのか。生きる意味さえ、考えて自身の問うても到底答えなど出てこない混迷に迷うことさえある。
生まれた時から能力に応じ与えられた役割を全うして生きていけば、それらの苦しみは無くなる。綺麗に一寸の互いも狂いもない秩序の世界。
「でも、それって機械と同じだよね。生きてるけど…何だか本当に生きてるって言わない気がする」
空を見詰め目を細めたユイの言葉は淡々と感情を乗せない。
「どうやったって感情は捨てられない。僕たちは人間でしかないから。悔しくて前が見えなくなったり、悲しくて動けなくなったり、どうだっていいことでまぁいいか…なんて優しさを見つけて嬉しくなったり、理解されない思いを理解して貰った時に幸せを感じたり。……人間はそんなものだって母さんに教えて貰ったよ」
「ニアに?」
意外そうな声を上げた月にユイが笑う。
「そう、母さんが言ってた。大切なものを失くしてきて、そして色んなものを手に入れて、見て、普通子供の頃に気付くそんな当たり前で大切なことを、大人になってから気付いたって」
「…そうか」
「僕、だから」
ユイが少しだけ息を飲む。考え倦ねているような間に風の音だけが入り込んだ。
誰もいない。此処で二人の会話を邪魔する者はいなかった。
「父さんが”キラ”だと知った時、驚いたし悲しかった」
「ああ」
「でも、こんなの…おかしいかも知れないけど、会えて良かった」
死んだ人間に、ましてや認識のない人間と出会いを果たせるなんて空事のようだが。
「……もう少し大人になったら、父さんのことは話すつもりだったって母さんは言ってた。きっと母さんは自分の感情を抜きに事実だけを話したと思う。でも、それじゃ父さんの思いは聞けなかったから。これが夢のような出来事でも良い。僕、父さんに会えて良かった」

―それが一番のプレゼントだったって思うんだ。

ユイの言葉は月にとって酷く優しかった。それは人として月が最期に見た夢よりも優しい。
その言葉に月は今更だと思いながら、生きている間には理解出来なかった一つの幸福を理解する。



>>パラレルif12話目。
   此処も肝心要で、書いては読んで消して、また書いて…と繰り返した。
   そういえばユイは十歳になったばかりの子だけれど、こんな子供はありかしら。

   そして相変わらず不安なのはちゃんと、一つとして繋がって話は形になってるかしら(…)

誕生日はいつ、と何の気兼ね無しに聞かれたことがある。
駆け引き無しの純粋な問いに弱いと内心苦笑しながら、さてどうしたものかと考えた。本当のことを言っても差し支えはないだろう。ならば嘘を言う必要もないか。
「10月31日です」
「ハロウィン? 何だか出来すぎだな」
そう笑みを零した月に曖昧に「そうですね」と答えた竜崎は内心笑う。
甘いものしか食べぬ嗜好にハロウィンと来れば出来すぎの嘘だと感じるだろう。当たり前のことだ。
二人の会話を横で聞いていた松田が本当の誕生日はいつだと聞くので、それも上手くはぐらかして、結局Lというのは誕生日も教えてはくれないという結論で落ち着く。
それも当たり前に取れる行動なので竜崎は曖昧な返事で肯定も否定もしなかった。
全て相手が取る通りに、疑うのなら疑うままに、そして会話を打ち切る。

―さて、それはいつのことだったか。

 

”L、日本捜査本部の皆さんから荷物が届いておりますよ”
通信を知らせる電子音にモニターを振り返れば、自動的に開かれたメッセージの文面はこうであった。
差出人はワタリで嘘を吐くわけもない。
「……みなさんから、ですか…」
別段何かあっただろうか。改めて送られるものなど何もないはずであったが。
『L、部屋の前に運んでおきましたから確認して下さい』
今度は文字ではなく音声が流れた。優しい言い聞かせるような声音に、親指で下唇をなぞりながら竜崎は視線を天井に浮かせた。通信越しの声は何だか楽しそうでもある。
「分かりました、ワタリ。確認します」
ぺたぺたと裸足で部屋を移動して扉を開ける。確かに部屋の目の前に積まれた箱が何個か。
一番上にある箱をまじまじと竜崎は見遣った。季節柄かオレンジの飾りの付いたリボンが掛かっており、それを指先で摘むと僅かに衣擦れの音と共にリボンが解ける。
包み紙は無く、しっかりとした作りの箱の蓋を開ければ小さめのタルトが現れた。
赤い実は美味しそうに艶やかに光り、ちょこんとその上に乗せられたプレートが…、
「……ワタリ」
竜崎は思わず回線を繋いだままの相手へ、言葉を投げかけていた。
『はい、何でしょう?』
どういうことか、と訊こうとして止め、指先に少し付いたクリームを舐め取った。程良い甘さが口の中に広がる。美味しい。
積み上がった全てに甘いケーキやらお菓子が詰まっているのだろうか。
タルトの上に乗っていたプレートと同じような言葉が添えられて。
『お茶を用意いたしましょうか?』
全て見越す提案が為される。平素通りの丁寧な口調には矢張り楽しさや嬉しさに似た感情がある。
何分長いこと共に仕事はしていない。
「……、そうして下さい」
長く息を吐いて開けてしまった一番上の箱を抱えて竜崎は部屋に戻る。
画面の前には通信を示す一文字のアルファベット。
『畏まりました』
「それと、」
『はい』
「下に皆さんも居るんでしょう? 私も其方に行きます。申し訳ないですが荷物は運び直して下さい」
返事は待たなかった。
ぷつんとモニターの電源を切って、腕に抱えた箱はそのまま部屋を後にする。
竜崎の行動を何もかもお見通しの通信相手は今頃手際良くお茶の準備を始めているか、それか既にもう為されているのかも知れない。
器用にタルトを摘み上げて口に運び竜崎は笑んだ。
下の階へと移動しながら口の中の甘さを味わう。一つ、タルトの上に鎮座していたプレートを一度じっと見詰めてそっと独りごちた。
「何だか慣れないな。こういうのは」

 

竜崎が下の階に着いた頃には一体どんな早業を使ったのか。部屋の前に積み上げられていた荷物も全部揃っていた。
カートに人数分のお茶を運びながら紳士然とした初老の男が笑う。
「皆さん、お待ちでしたよ」
随分遅かったですねと誰かが言い何故か全員が笑顔なのに、一瞬目を丸くした竜崎がにやりと笑った。
出来過ぎた誕生日ならどうせ嘘と取ったとばかりに思っていたのだが。
「月くんがね、竜崎の誕生日は10月31日で間違いないと思うって言ったんです」
お喋りの松田がにこにこと答えを容易く与えた。何故とは聞かず、ワタリのお茶の用意を手伝う青年を見遣る。
視線に気付いたのか視線を上げた月が、音にせず唇の動きだけで何か伝えた。
それはタルトのプレートと同じ言葉。

”お誕生日おめでとう”

 

<追記>

「ところで、月くん」
竜崎の誕生祝いの筈が既に勝手に酒を飲み盛り上がり始めた面々から、少し離れて避難していた月の隣にたくさんのお菓子を盛った皿を持ちながら移動してきた竜崎が声を掛ける。
「うん?」
「どうして、分かったんですか?」
皿の上のいかにも甘そうなお菓子を摘んで口に放り込みながら竜崎は問う。
その質問に月は「ああ」と頷いた。
「あの時、お前は嘘をついてなかっただろう?」
さらりと宣った言葉を疑うように竜崎が視線を向けてくる。
「…そうでしたか?」
「ああ、そうだったよ。だって意味もない。だから嘘じゃないと思ったんだ」
嘘つきなのはお互い様だが、余り意味のない嘘を竜崎は吐かない。本当とも嘘とも言わぬはぐらかし方を月は真実と取った。
「私、嘘吐きですよ? まぁ…。こうやって怒られもせず甘いものを食べられるので良いですけど」
ぷいとそっぽを向いて皿の上に積まれた甘味を平らげ始めた竜崎の姿に月は思わず笑う。
それは肯定と一緒だ。
「ああ、そうだね」
素直になれない、その素直さに月はもう一度、今度は声にして祝いの言葉を口にした。




>>Happy  Birthday !!  L.Lawliet

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