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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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空は一点の曇りのない蒼。何処までも続くであろうその色。
眩しさに目を細めた少女は、浮かぶ雲に似た色の髪を靡かせて其処に立った。
空は青く、色を映した海も蒼く、二つが混ざり合う様な水平線も青く、何処までも青い世界の中で、同じ色の瞳を伏せて、彼女は暗く蟠る闇を思う。
艶やかな闇の中で揺らめく炎のような紅い瞳を思い出して、唇を噛んだ。
何を知ったのか。
何を知らずにいるのか。
全ては運命なんて陳腐な言葉で絡め取られた得体の知れない何かの、その為にあるなんて。
いっそ知らなければ幸せに暮らすことが出来ただろうか。
何も知らないまま終焉を迎え、そのまま終えるものに何か意味があるのなら。
否、無意味だと少女は緩やかに首を振る。
知らずにいれば幸せなのではなく、それは戦う選択肢まで、選ぶ権利さえないまま終わりを迎えるだけに過ぎない。
世界に住む人々の殆どが、今を生きるその中に大きな大きな力が働き終焉に至ろうとしていることに気付かない。
一握りの人間達が運命と言う言葉を使って世界の流れを操っているという事実、それに酷く嫌悪感を覚えた少女の選択は決して楽なものではなかった。
誰も知らない確かに存在する”何か”と戦うという決意は生半可に出来るものではなかった。
蒼の世界に一点の闇が落ちる。
幻のように不安定な黒点が小さく震えて、淡々とした声が少女の名を呼んだ。

「僕は戻らない」

断ち切るように呟いた少女に猶も声は語りかける。
幼い頃から聞こえたその声は、養父とは違った響きで少女をいつも見守っていた。人の姿を取ることもあったが、少女は始めて会った頃から声の主が人ではないと気付いていた。
少女の容姿とは正反対の容姿の、その女性。
黒い艶やかな髪、闇の中でも猶も存在を侵されぬ紅い瞳、纏ったシンプルな形のドレスも闇と同じ色。
淡々と事象だけを紡ぐ声は、時に重くそして事実だけを伝えた。
彼女が人間でないと思ったのは瞳に宿した無機質な意志の光を見て取ったからだったか。
今となってはもう分からない。

『……貴女が幾ら足掻いたところで終焉の事実は変わらない』

抑揚のない声が告げる内容は略事実に近いのだろう。尤も事実に近く尤も真実と相容れない言葉に、少女は頭を振った。
戻らない、とそう決めた。何と戦うのではなくて、戦うからこそ見える何かがあるのだと信じたからこそ、少女は今この場所にいた。

「僕は、もう決めたんだ」
『貴女の決意など、黒の歴史の中では予定調和の一つにしか過ぎない。それでも?』
「僕が組織を抜け出すことは”黒の予言書”にあったと、いうの?」
『最初の予言律ではなく、二つめの予言律に』
「ならば僕の、”意志”は?」
『……何ですか?』
「クロニカ、貴女の予言書に僕の意志は書いてあるのか、と」
『そんなもの、必要がないでしょう。”黒の予言書”はあくまでも予言書。歴史書なのです。其処に人の意志が入り込む余地はない』
「ならば、まだ未来は自由の筈だ」
『貴女はまだそんなことを』
「僕は戻らない。…そう決めたんだ」

ゆっくりと告げた少女に、珍しく小さな溜息が聞こえた。
ならば好きにしなさいと囁くような声と共に青の世界に入り込んだ黒点は青に染みるように消えていく。
逸らすことなく見詰めた少女が小さく息を吐き、空を見上げた。
青の世界。
広い空。
そこを切るように飛ぶ白い鴉。
見上げた空は眩しく手を翳した少女は一つ呼吸を置いた。
何処にも終焉の見えない、けれど終焉の近づく世界は少女に残酷で、それ故に美しい。


  ―少女の思いも、世界の終焉も、もうすぐ、きっと。





>>Surely all is over soon = きっともうすぐすべてがおわる

   某方へのお祝いの為の品。
   しかし本当にSHは難しい…(苦笑

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此処は思うがままにつらつらとその時書きたいものを書く掃き溜め。
サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。

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