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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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うつらうつら、と意識がたゆたう心地良さに重くなる目蓋を咎めるように、そっと指が頤を掬う。
眠いと意思表示をするようにふるりと首を振るったが、関係ないと言いたげに指が唇をなぞった。

「………眠い」

漸く声を上げれば満足そうに男が笑う。
海での生活を主とする割に、この男は日焼けをしない。体質なのだ、と前に話していた気がする。
脱色されたような白に近い銀髪は癖であちらこちらに向き収まり悪く、けれど指先で触れれば柔らかで心地良い。
無造作に伸ばした指先がその髪を掴む。一房とつい、と引けば応えるように男が身を屈めた。

「眠い。寝かせろ」

それだけを告げて眠ってしまおうとする元就を、男は尚も引き止めるように触れてくる。
さらりと真っ直ぐな髪を梳いて首筋にそのまま掌を宛がう。性別にしては細い首は、男の大きな手であれば簡単に絞められるだろう。その危うさであるというのに元就は気にせず寝てしまおうと目蓋を閉じる。

「…おい」

不機嫌そうに元就に声が掛けられる。珍しいくらいに険を含んだ声に薄ら目を開けた元就は、笑って見せた。
眠さで何故笑うなんて行為に出たのかは分からない。
ただそうすればいいという本能にも近い直感で笑った元就を、驚いて目を丸くした男が覗き込んだ。

「おい。…元就」
「…ん」
「てめぇ、それ分かってやってんのか。卑怯だぞ」
「…な、」

問おうとした声は半分以上が、急に口吻けしてきた男の口腔に飲み込まれる。
突然の行為に一瞬抵抗も忘れた元就だったが、執拗に口吻けを求める男の隙を突いて鳩尾に拳をめり込ませた。
声にならない悲鳴を上げて床に沈んだ男を気のない視線で見遣りながら、小さく息を吐く。


「長曾我部、我は眠いと申したのだ」
「……も…っ、何も急所……」
「日輪が登る頃になったら、また話でも聞いてやる故。……今は寝かせろ」

尚も言葉を発する男には一瞥もくれず、元就は瞳を閉じる。
全くもって不本意ながら、五月蝿いと感じるこの男の声は耳に心地良いのだ。
出来るなれば文句ではない言葉であれば良かったのだがな、と少し我が侭なことを思った元就の、その意識が眠りの海に沈むまで時間は掛からなかった。



>>元就はやかましいと思いながら、元親の声が嫌いじゃないと良い。
   その声を聞くと安心してしまうと良い。
   そんな妄想^q^(またか

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