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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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色彩が回り分解される自己精神。叫び声は全て吸い込まれてしまい、結局はお手上げ状態でふわふわとした浮遊感は逆に気色悪さを含み、藻掻くように伸ばした手は虚空を切る。浮遊から落下へ。落ちる、墜ちる、感覚に反射的に目を瞑った。
瞬間。
今度は急に抵抗が生じて反動で衝撃が内蔵を圧迫する。気持ち悪いと小さく呟いて目を開ければ殺風景な天井が広がった。

「………引きずられすぎ、だ。瞳子」
「あ、」

自分の声とは思えぬ掠れた声に少女は一度二度と浅く呼吸を繰り返す。
悪い夢から覚醒した後のように全身冷や汗を掻いていた。

「……真紀さ、ん?」
「調子は?」
「ああ…、大丈夫…です。大丈夫」

ふるりと首を振れば鈍痛が走った。ふわりとした髪は腰近くまで伸びていて、それを邪魔そうに一つに結ぶと少女は深く息を吸う。呼吸が出来るのが嬉しい。

「随分強情だな」
「患者さん、ですか。……そうですね」
「戻ってない感覚はあるか?」
「いいえ。大丈夫です。途中で切ったので」

ゆっくりと横たわっていた寝台から降りると、カーテン越しにまだ寝台に寝ている男性に目を向けた。
懇々と眠る男の精神波を表すグラフは不安定に揺れている。

「後でもう一度潜ります」
「…大丈夫か? なんなら代わろうか?」
「大丈夫。ありがとう、真紀さん。でもやらせて欲しい。……この人は私の患者さんですから」

にこり。
先程奪われた感覚は徐々に戻っては来ているが、男性の意識は戻らず。
連れ戻そうとしたのに戻せなかった結果に少女は悔しさを噛み締めた。相手の精神に自分の精神を潜らせることは、相手にも自身にも相当の負担が掛かる。出来れば一回で終わらせたかったのだが。

「分かった。それじゃ、その時も声をかけて。サポートに入る」
「……助かります、ありがとう」

お辞儀をすればセーラー服の上に白衣を着込んだ同年代の少女、―真紀は「いや、礼には早い」と白衣の裾を翻して退室していく。ぱたりと乾いた音を立てて閉まった扉を暫く見遣ってから残された少女は寝台の脇に掛けておいた同じような白衣に袖を通した。
少女の名前は、宮野瞳子。都内の女子校に通いながらも特殊精神科医という資格を持った、歴とした医師である。


>>こっちが元々の主人公。
   宮野瞳子と飯田真紀は同学年で学校が違う、という設定。

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そんなところです。

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