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一体僕をなんだと思ってるんだい。
と言うか何? 何で何食わぬ顔で戻ってこれるかなぁ。
しかも寛いでるし。僕のお茶菓子しっかり食べてるし。って聞いてるの? 元就
「……うん? ああ、聞いておるぞ。うん」
「聞いてないような台詞だけど」
「聞いている。つまりはあれだろう? あれだけの逃走劇を繰り広げた後、主に迷惑を掛けたお前に良くもまぁおめおめと顔を見せに来れたものだな。どういう神経してるんだ? とそういうことだろう」
「そこまで僕言ってないよ」
「同じことだろうに」
お茶請けに入った菓子を指で摘んで内装を剥がす元就に反省の欠片も感じられない。
半日。アポロンの職員を結局は十数名駆り出しての捜索作業は元就の勝利で終わってしまった。
一体何処に隠れていたのやら。
「それで?」
「ああ。うん。問題なしのようだ」
「そうか。良かったな」
「全く。あんな騒ぎ起こさなくても嫌なら嫌って言えば良かったじゃないか」
「嫌と言って断らせてくれたか? 重治」
「断らせなかったね」
「ならば無用な行為はしたくはないな」
「だからって当日ボイコットは無いだろう!」
「……有って然り」
音も少なく茶を啜って元就はふうと息を吐く。足を組んですっかり寛いでいる風の元就の様子に溜息を禁じ得ない。
盛大に溜息を吐いた半兵衛に、何を思ったか元就は薄らと笑みさえ浮かべて見せた。
「随分と心労が溜まったと見える」
「誰のせいかな。誰の」
「我であろう?」
「元就、君…」
にっこりと不敵な笑みを浮かべた元就に言葉を失うと、満足したらしいもう一口とお茶を啜って幸せそうに目を細めた。そしてまた一つお茶菓子を摘む。
「とりあえず、どうしてあんな頑なに逃走劇を繰り広げたのか…その訳くらい聞いても良いかな?」
「………なに、簡単な」
―――『そうそう、簡単なことだ。こいつ、これでいてすげぇ照れ屋だからよお』
二人の生身の会話に通信で割り入った声。
元就がボイコットを敢行した際に我関せずの態度を取り、いつの間にか自身さえも身を隠していたもう一人の逃走者。
「「元親」」
見事に重なった声は違う響きをもって。
―――《君ね、知ってたんだろう? 元就が何処にいたか。挙げ句君まで行方を暗まして…! 共犯も……》
―――《ふん。お前などこってりアポロンで絞り取られているが似合いだろう》
通信会話に切り替え銘々に好き勝手に言い放った二人に元親は苦笑した。
とりあえず不満があって愚痴を続けたいのは半兵衛の方らしいが、相手が元就では無理だろう。
後で機嫌を伺いに行かねば罪もないアポロンの同僚たちが半ば八つ当たり的に被害を被るのは考えずとも分かることで、元就の言葉の通りこってりと絞られた後の元親ははぁと一つ息を吐いた。
>>前日の博物館パロ話の後日談。
後日というより当日だろうけど。
さり気に一番の被害者は重治だったりするんだ…(苦笑
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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