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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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んで。
結局なんだったわけ? と聞きづらくて頭を掻いた。とりあえず良く分からないままの状況は些か心苦しいし、なんとも言えない。
隣では表情を動かさずに月を眺める麗人一人。
本当に同じ性別かね? と言いたくなったが、そういえば自分だって幼少の頃は姫と呼ばれたほどじゃないかと考え直した。大きくなるにつれて体格に恵まれたのは幸運だったが、幼少の頃の名残か日焼けしにくい体質の肌は白いままだ。
以前、憮然として酒が得意ではないといった彼の細い指先がついと用意された杯に向けられた。
流れるような動作で持ち上げて杯の中に注がれたそれを一度で飲み干すと、じっと見詰めたままの視線に気付いたのだろう。少しだけ咎めるような視線の後、けれど一言も口にはせずに彼の人の視線は空に浮かぶ月に向かった。

こんな気まずい月見酒はしたことねぇぞ

つい出そうになった言葉の先を取ったか。
くつくつと何がおかしいのか声を抑えて、しかし肩を揺らして毛利元就は笑った。
余り表情を表に出さない彼にしては珍しいことだった。
普段飲まない酒が助長してくれたのだろうか。

「なんだよ」
「いや」

不機嫌に声を上げれば普段は涼やかな声に、微かな震えが混じって柔らかな響きを持つ。
まだ笑いを堪えているのだと容易に知れるその声に尚も問おうとした所で、つと笑みを押さえ込んだ元就の視線が向けられた。
真っ直ぐに、余りにも真っ直ぐすぎる視線。

「本当、そなたという男は」
「……?」
「相変わらず幼き男よな」

何で?
と口に出せば更に笑みを深くするのだろう。
何が可笑しいのか。
馬鹿にされるのは本来嫌いではあるが、この男とは既知の仲である。
彼の言動は既に分かっていたし、不思議とこの男にそういう態度と言葉を浴びせられてもそれほど怒りはわいてこないのが不思議だった。
それに。
何よりも、この元就がこうやって微かであっても笑みを零すなど、見られる人間の方が少ないのだ。
だからそれの貴重さに比べたら何てこと無いのだ、と思いついたところで全ての理由に結びつく結論をはじき出した。

嗚呼。鈍すぎるっちゃ、鈍すぎるな。

「なんてことはねぇよなぁ」
「……なんだ?」

思わず一人ごちら言葉に親切に声を返してきた元就に笑ってみせる。
訝しげに顰められた眉は、それでも言葉の先を促しているようで。



「いんや。……つまりは惚れちまってる、ってそういう話だよ」


誰を。
とは言わず曖昧にだけ答えてやった。





>>鈍いようで鈍くないようなアニキ。
   完全に鈍い日輪の妖精。
   そんな組み合わせ。
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此処は思うがままにつらつらとその時書きたいものを書く掃き溜め。
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