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白銀の髪を緩やかに肩から流し落として歌うように紡がれた言葉に、ふと悲しみを覚えた。ああ、何故そんな風にこの人は。
「冬さん、冬さん」
だから永遠などと考えること自体が愚かなのだと無碍にせずに名を呼ぶ。
冬を冠する名に相応しい白銀の髪を揺らして男は笑った。酷く作り物めいた笑みだった。
きっと触ったら冷たい。
だけど、
「莫迦だよね、冬さんは」
触れた指先は冷たさの一つも拾わない。低温な暖かさがあるだけで冷たさなど一つも。
「本当に莫迦なんだから」
永遠なんて無い。
限りある命であるからこそ今があるのだと知っている自分はきっとそれ以上を望まないが故に弱い存在なのだ。
だというのに人間の命を遥に行く存在を捕まえていたくて必死に手を伸ばすというのだから卑怯この上ない。
「……、」
この優しい暖かさを離したくはない。
「ごめんなさい」
「景ちゃん」
「………ごめん。永遠は………僕は、あげられないけど」
「景ちゃん?」
不思議そうに首を傾げる、彼が少しだけ困ったように笑った。
「僕が冬さんを思う気持ちだけは、冬さんにあげるから。これだけは、」
―気持ちだけは、想いだけは、
身体はいつか朽ちるだろう。
その時置いて行ってしまう彼に残せるものはなんて不確定で目に見えない、信じなければ存在しないものでしかない。
でも形あるものはいつか壊れて朽ちてしまうなら、彼と共にあれるものは、自分が彼の為に残してあげられるものはそんなものでしかないのだ。
「…………ごめんね」
「景ちゃん」
「ごめん。…あいしてる」
普段口に出来ない言葉を、永遠を探ろうとしたその人に。
>>くまがいさんはなんて妹思いなんだろう(自画自賛)
というわけでむつきさんにカンフル剤投与。
久しぶりの分類不可。
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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