謂わばネタ掃き溜め保管場所
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灰になった亡骸空に向かい棚引く一筋の煙がやけに白く眩しく見えて目を細めた。
海は何処までも澄んでいた。この時節にしては珍しく凪いだ海面は柔らかに陽光だけを反射し、静かな波音を響かせる。
―まるで、そうまるで悼む様では有りませぬか。
誰かが口を滑らせた言葉に偲ぶ言葉はそうだそうだと相槌を打つ。
誰もが一点空に向かう煙を見上げるのは不思議とおかしな情景にも見えた。
嗚呼、そうもう何もあれがあれであったという印は失われていくのに誰も彼もが覚えているという。
「……そうよな。我もきっと」
空の青を映す穏やかな海に失われていく面影を思い出すのだろう。
海の青だと思った瞳の色を今度は、あれの瞳の色だと海を見詰め思うのだろう。
いつどちらかの生が尽きたとしてもおかしくはなく、それなりに覚悟はしていたのだから悲しみなど有りはしないと思っていた。
涙は無いが、隣にあった筈の存在が無いのは酷く可笑しい。
当たり前だと思った心算は無い。
ただ残滓としてふと過ぎる幻が心に痛いのだ。
「……そなたを忘れはしないのだろうな」
逝った魂は何処に行く、と無粋なことは訊ねられず小さく零した言葉も妙に虚しい響きを伴う。
空は青く、海も青く、その色はあの瞳の色に似ているのだ。
荼毘に伏した亡骸は既にどこか、遠くにあるというのに。
「…元親」
小さく別れの色を含み呼んだ声に、一瞬鮮やかに呼ばれ返される錯覚を見て元就は笑む。
全く困ったことだと一人ごちて空に溶けゆく煙にもう一度別れを告げた。
>>久しぶりに書いた瀬戸内が此れってどういうことだ…^^^^?
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
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ブログ内文章無断転載禁止ですよー。
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