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悲しいね。
ぽつりと静寂の訪れる、ここだけ自由を許される自室でフレンは鏡に向かい合って呟いた。
明かりを灯さない室内は夕暮れ時の斜陽だけが入り込み、ほんのりと赤い。
光を織り上げたようだと賞されるフレンの髪も赤味を帯びて、まるで罪を被ってしまったよう。
そっと指先を鏡に向ける。
頼りない指先が鏡に触れ、向こう側には自分の姿が映る。本当はそうなのに。
(ユーリ、君は)
そこには暗色の髪を結った少年が写っている。
光を集めるフレンの髪とは正反対の宵闇の色をした、髪。夜色の瞳がじっとフレンを見詰めていた。
(どうしていつもそんな)
フレンがゆったりと瞳を瞬かせる。
そこには相手に対する慈愛しかない。それなのに鏡の向こうで少年はフレンをまるで敵のように見詰めている。
理由は分かっている、つもりだ。
いつかは一緒になる、自分とは完全に対象な存在。
だからこそ全く正反対の境遇に置かれ育てられてきた。フレンは貧しさを知らない。
いつも誰かが傍で仕え、不自由はなく暮らしてきた。その代わり支配者の象徴として祭り上げられ、個人の自由は無かったが不満はない。
優しくあれと教えられてきた。それを自分でも良しとした。
(哀しい目をしているんだ)
しかし、ふと。
いつからか残像のように見える、自分と対の存在のことを思い、心は苦しくなった。
貧しく弱い環境で育てられてきたユーリは、きっと自分の知らない苦しみや絶望を知っている。
だからこそ、フレンが知らない、そんな絶望と憎しみを綯い交ぜにした瞳で自分を見つめてくるのだ。
――出来れば、救ってあげたい。
いつか出会う、運命の時が来れば、君の絶望も抱えてやりたいとフレンは心の中で思う。
また明日ユーリは泣くかも知れない。
そう考えたら自分が受けた痛みのように苦しい。
そっと手を離し、祈るように胸を前に置く。明日が来て一つ刻限が迫る。その日の為の拙い祈りだった。
>>ぶらじゃすいいね、たぎっちゃうね!
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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