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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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廊下を歩く長い銀糸を見つけてオズは手を振る。それに気付いたらしいブレイクが小さく手を振り返してきた。
存在がチェインとなって戻ってきた彼は背中まで伸びた長い銀糸を一括りにして肩から流している。オズからすればその姿は慣れないのだが、シャロンは平然と何てことの無いように「昔は髪の毛が長かったんですよ」と教えてくれた。
だからシャロンとレイムからすれば違和感は無いのだという。
「オズ君」
とんとんと軽い足取りで寄ってきたブレイクが名を呼ぶ。にこりと笑うのに笑って返してオズは違和感はそこではないのかもしれないと思い至った。
髪は放っておけば伸びる。だから考えて物理的に無理なことが違和感としてある。ブレイクの目線が前より近いのだ。
「どうしたんですか? ぼーっとしてます?」
ひらひらと目の前で降られる白い手をはしっと掴むとブレイクが首を傾げた。
「いや、なんか変な感じだなぁって思って」
「変?」
「だってブレイクってば小さいんだもの」
目線が近いのは決してオズの身長が伸びたからではない。言葉通りブレイクの身長が前の彼よりも縮んでしまっている。
ああ、と納得したように声を上げたブレイクが着ていた制服の裾を自ら掴んで言う。
「そうなんですヨネ。おかげでこれもサイズ直したんです」
「どうして縮んじゃったの?」
問いかけに笑いながら首を傾げたブレイクが、落ちかかっていた髪の毛を無造作に払った。
「普通に立っていて手が届かないからですって」
「……は?」
「我が侭な女王様がね、そう言ったんですヨ。だから手が届く範囲の身長なんです」
我が侭な女王様と呼ばれる存在がそんな可愛い存在ではないのは言うまでもない。
少しだけ考え込んだオズがすっとブレイクに向かって手を伸ばす。前から顔に手は届くのだけど、確かに彼女が精一杯伸ばさなくても良い高さなのかもしれなかった。
「髪の毛が長いのも、女王様の意向?」
「みたいデス」
邪魔だから切りたいとつい最近ぼやいていたのを覚えている。今もそう思っているらしい。
鬱陶しそうに髪が掻き揚げられた拍子に長く伸ばされた前髪に隠れた左目が現れる。少しだけ右目よりも色素の薄い紅い瞳は嘗て契約を交わし、存在を一としたチェインの瞳だとさらりと言ってのけたブレイクはそれでも左目を隠すように長い前髪をそのままにしている。
どうやらその瞳自体に力が宿っているらしく、”イカレ帽子屋”の瞳が開く時に能力が発動される、という条件は同じらしい。
「ちょっと暫くは慣れそうにないなぁ」
「何がデスカ?」
「だって、ブレイクったら小さくなっちゃったし髪の毛長いし、元々細いから…下手すれば女の人みたいに見えるじゃない」
最後の言葉は冗談交じりだったのだけれど。
一瞬呆気に取られた表情を浮かべて、その後は少し嫌そうに眉を寄せたブレイクがオズの眉間を突く。
「いて」
「全く、なんで会う人会う人同じような事いうんでしょうかネ。もう嫌になりますよ」
ふん、と小さく落ちた言葉に今度はオズが呆気に取られて、その後声を上げて笑ってしまった。



>>もしも設定小話。
   チェインで戻ってきた帽子屋さんは身長がちょっと縮んでて髪の毛長くて、両目が揃ってるどうだって良い設定(笑
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