リハビリ状態

喩えば、の話。
それが一つところに下りていないのならば、まぁ、何とも言えないことなのだと思う。
要は何も見えないのだから、其処に何もないと誤認識してしまえばいいという話なのだが。
実際は一筋縄ではいかない。見えなくても存在するものが多々あるからこそ面倒なのだ。
「ううん、だとして」
「何？」
「いや、独り言だよ」
くすりと笑う少女がよいしょと伸びをする。その横で左右の瞳が不揃いな女性が首を傾げた。
ぼさぼさの頭をしているが整った面立ちの女性は、すっと目を細める。
「隆景ってさぁ、時折どうだっていい回路ぶったてるよねぇ」
「へ？」
「目に見えないものは、結局あってもその人にとっては見えなくて認識出来ないんだもの、ないんだよ」
「おおお？」
「他の人に見えれば、確かにずれは生じるけど、でも結局幾らやってもみえないなら無いのと同じ」
にこりと笑う表情に目を奪われる。
少しだけ愁いを帯びた表情だと思った。
「考えるのはナンセンスだよ」

「……まぁ、一理あるね」



＞＞時折ずばっと物事を言うのがリノだと思う。
　　　私がリハビリ状態＾ｑ＾