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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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本気なのか、と必死な形相で問われてニアは結局溜息混じりに「そうです」と返すしかなかった。
全て独断の上。非難は承知の上での決定事項にそう問うたレスターが唸る。
ニアが切り出してきた夜神月の今後については、この場に居る誰しもがレスターと同じ意見らしくただじっとニアを見詰め続けていた。
それは控えめに後ろに立つロジャーも同じらしい。
「兎に角、そう決めました。言いたいことは大体分かる積もりです。それでも何か言いたいのならご自由に」
そこまで言い切ってしまえば誰も言い縋ることはしない。
現”L”の判断であるのなら、と事情を知りニアの顔を知る少数の人間は一応頷いた。
話は此処までと打ち切るとそれぞれが自分の仕事に戻っていく。
その中で一人だけ動かぬレスターにニアは声をかけるしかなかった。
「まだ、何か? レスター」
「どうかしている」
「…レスター」
その言葉に決して冷たく言い離すのではなく、寧ろ言い聞かせるようにニアは名を呼んだ。
「夜神月は、キラだ。それをワタリとして傍に置くなど」
「レスター…、私は」
「ニア、何を考えている?」
俯いていたレスターがニアを逃さぬように強い視線で見据えてくる。普段視線を合わせ会話をすることの無いニアは、その行為に酷く神経が磨り減るのを承知でしかし視線を受け止めた。
「言った通りです。夜神月はキラとしての能力を失った。今更無謀なことをするなんて馬鹿なこと、あのプライドの高さです。しないでしょう。…そして私は何よりあの才能をそのままにするのが惜しいと考えた。それだけです」
「それは分かる。分かるが…何故ワタリなんだ」
「適任でしょう? 最も彼は優秀すぎるのでパイプ役だけじゃなくて事件自体を任せたって良い塩梅でしょうがね」
「ニア」
「心配には及びません。……彼は、私をそう簡単に殺そうとはしませんよ」
「保証は無いじゃないか。…相手はキラなのに」
「はい。保証はありません。……けど、分かります。彼はしません」
言い切るニアの口調ははっきりとしている。
「私は心配なんだ」
「分かっています。…いつもレスターには心配を掛けてばかりですね」
すみません、とニアは小さく謝った。
その言葉に微かに首を振るレスターにニアはそれこそ微かに笑いかける。
「ロジャーはもう歳で辛いらしいですし、丁度良いんです」
「なら私がワタリの役を買っても…」
「駄目です」
言葉を遮るニアの声に迷いの色は無い。
「何故?」
「ワタリには私の代りに色々な所に赴いてもらう、そんな仕事が多い。……レスターに離れられたら困ります」

―だって私、飛行機だってまだ一人じゃ乗れませんから。

そう嘯くニアに思わずレスターは苦笑した。
世界の切り札として動くニアの僅かでも信頼を得られているという事実と、それを伝えるには余りにも子どものような言葉が、何よりニアの人間性を示している気がした。
「分かった。そこまで言うのなら。…ただ、何か私が出来ることがあるならいつでも言って欲しい」
「…はい」



>>前の話の後日談(?)
   なんかむつきさんがレスニアしか言ってこないのが気になる(苦笑)

   なぜだ?

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