謂わばネタ掃き溜め保管場所
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ふわりふわりと感覚が浮く。気持ち悪い、と無意識に呟いた元就は薄っすらと、しかし次第にはっきりして行く視界に訝しげに眉を顰めた。見慣れない天井だ、と思った。
覚醒した直後の思考回路はすこぶる動きが鈍い。緩慢な動きで上体を起こすと、微かな音で扉が開き声が掛けられた。
「やっと起きたか」
掠れがちの低い声が元就に掛けられる。ゆるゆると視線を彷徨わせて、元就は自分は夢でも見ているんだろうかと他人事の様に思った。
昨日のことがあったから。自分でも知らぬうちに精神的にも傷は大きくて、こんな夢を見ているのか、と。
同時に頭のどこかで否定される。都合のいい事がある訳がない。
何処で意識が途切れた?
「……此処、は」
「ああ。…俺んち。後で家まで送ってってやるよ。倒れて家に運ぼうとも思ったんだが知らなかったからな」
さらりと言ってのけた男が、口の端に笑顔を貼り付けたまま近づいてくる。
どかりとベッドの端に腰を下ろすと不安そうにその行動を見守っていた元就の頬にゆっくりと手が触れた。
その手は不思議な、掌は温かいのに指先は冷たくて、思わず肩を震わせた元就に男が笑う。
「…そんなに怯えんなよ」
男のベッドだったのだろう。寝かされていたベッドに視線を落として元就はまたしても自身の失態を呪った。
運が無いと言えばそれで片付けられそうな程の確率で引き起こされる現実。
けれど起こってしまえば百でしかないのだ。
昨日は道の真ん中で蹲るようにしてた男に、(―普段ならば無視するのだが)何故か声をかけてしまった。
まさかとんでもないことになるとは予想してなかった。
「…少し熱があったみてぇだな。…今は下がってるが」
「……熱」
「動けるんなら家に送るぜ?」
ぎしりとベッドに付いた腕に男が体重を掛けたからか、スプリングが悲鳴を上げる。
「………良い。一人で帰れる」
掠れた声で答えた元就に、男が低く「ふぅん」とだけ呟いた。
何故か恐ろしいと感じた直後、俯いていた元就は顎をつかまれて上を向かせられる。
男と目が合う。
色素の薄い青の瞳。空というよりは海のような色の。
「……はな、」
「薬」
「……?」
離せ、と言いたかった。
元就はしかし男が呟いた言葉が理解できずに、言葉を飲み込む。
ベッドの近くにあるテーブルに徐に手を伸ばし、男が何かを摘み上げた。
それは、白い小さな紙袋に入っていた―。
「……っ」
咄嗟に元就はそれに手を伸ばす。触れた瞬間に男が手を引いた。掠めただけで奪えなかった紙袋を見詰めながら、元就は小さく息を吐く。
「12時間後。あんたが、倒れてからもう10時間は経ってる。そろそろ時間なんじゃねぇか?」
処方箋に書かれた内容でも読んだのだろう。
コップがテーブルの端に置かれて、悪戯に元就から薬を遠ざけた腕が今度は薬を受け渡す。
大人しく受け取ってから元就は呆然と男に視線を向けた。
処方箋を読んだというのなら、これが何であるのかなど知っているはずだ。
「飲まねぇのか?」
答えの読み取れない表情で男がコップを手渡した。
視線を落とし暫く考え込んだ後、観念したように元就が薬を渡された水を使って嚥下する。
こくり、と喉を鳴らして飲み終わった途端に視界が突然動いた。
ベッドの端に腰掛けていた男が元就を押し倒したのだと気付くのに数秒掛かる。
「……お、まえ」
「警察には出したのか?」
見下ろされて問われる。
男の掌の下敷きになった手首が痛い。
「……いや」
「病院には行っといて?」
「…そちらの方が大事だろう?」
挑むように見上げれば男が笑った。
何故笑われねばならないのか、と文句の一つが出かけた唇が塞がれる。
無理に施された口吻に元就の思考が停止したのも束の間、空いた方の手で男の胸板を叩いた。
薄く開いた唇から男の舌が口内に侵入する。
歯列をなぞり戸惑う舌を捕えて、男は元就の口内を深く貪った。
嫌だ、と出かけた言葉は飲み込まれる。
長い接吻に呼吸も侭ならず、男が元就を解放したときには完全に息が上がっていた。
「…は、ぁ」
短く息を吸い込んだ元就を至近距離で男が覗き込む。
重力に従って落ちてきた銀髪が元就の頬に掛かった。
「……家まで送ってやるよ。そんなんじゃ、まともに歩けないだろ」
反論しようとした元就に男が意地悪く笑う。
「薬飲んだし、またすぐにぶっ倒れるかもしれない。…なぁ?」
「…え?」
至近距離だというのに更に距離を縮めて、耳元で囁かれた言葉に元就は小さく問い返すことしか出来なかった。
何を言ったのか理解できずに、けれど数秒後簡単に状況を把握した元就の頭は完全に恐怖に捕われる。
名を呼ばれた。知られてはいない筈だった、のに。
―そうだ、と元就は内心一人ごちる。
薬のことを知っていたということは、自分の持ち物は全て調べられていると何故すぐに気付かなかったのか。
鞄の中には社員証も免許証入っている。
名前も住所もすぐに知られてしまうことだった。
何事も無かったかのように男が立ち上がって、元就の腕を掴み上体を引き起こす。
「行くぞ」
有無を言わさぬ言葉に、元就は従うしかなかった。
ベッドの端に置いてある鞄を見つけてゆっくりと手を伸ばし、立ち上がる。
軽い眩暈がしたが倒れる前よりはマシらしい。
些か乱暴に腕を掴まれたまま、元就は男の後に付いて行く。
家まで送るという、それはきっと真実なのだろう。
ただ、元就にとっては一度だけの不慮の出来事で片付けようとしたことが、全く違う形を持ってしまったことが悔しかった。
>>うっかり続いた。現代パラレル親就(♀)。
なんだろう。元親が酷く得体の知れないものに見える。
そしてeroって何…?おいしいの?^q^
書くのが難しくて断念しました。
これこれこう ……って私には凄く難しいんだぜ。
覚醒した直後の思考回路はすこぶる動きが鈍い。緩慢な動きで上体を起こすと、微かな音で扉が開き声が掛けられた。
「やっと起きたか」
掠れがちの低い声が元就に掛けられる。ゆるゆると視線を彷徨わせて、元就は自分は夢でも見ているんだろうかと他人事の様に思った。
昨日のことがあったから。自分でも知らぬうちに精神的にも傷は大きくて、こんな夢を見ているのか、と。
同時に頭のどこかで否定される。都合のいい事がある訳がない。
何処で意識が途切れた?
「……此処、は」
「ああ。…俺んち。後で家まで送ってってやるよ。倒れて家に運ぼうとも思ったんだが知らなかったからな」
さらりと言ってのけた男が、口の端に笑顔を貼り付けたまま近づいてくる。
どかりとベッドの端に腰を下ろすと不安そうにその行動を見守っていた元就の頬にゆっくりと手が触れた。
その手は不思議な、掌は温かいのに指先は冷たくて、思わず肩を震わせた元就に男が笑う。
「…そんなに怯えんなよ」
男のベッドだったのだろう。寝かされていたベッドに視線を落として元就はまたしても自身の失態を呪った。
運が無いと言えばそれで片付けられそうな程の確率で引き起こされる現実。
けれど起こってしまえば百でしかないのだ。
昨日は道の真ん中で蹲るようにしてた男に、(―普段ならば無視するのだが)何故か声をかけてしまった。
まさかとんでもないことになるとは予想してなかった。
「…少し熱があったみてぇだな。…今は下がってるが」
「……熱」
「動けるんなら家に送るぜ?」
ぎしりとベッドに付いた腕に男が体重を掛けたからか、スプリングが悲鳴を上げる。
「………良い。一人で帰れる」
掠れた声で答えた元就に、男が低く「ふぅん」とだけ呟いた。
何故か恐ろしいと感じた直後、俯いていた元就は顎をつかまれて上を向かせられる。
男と目が合う。
色素の薄い青の瞳。空というよりは海のような色の。
「……はな、」
「薬」
「……?」
離せ、と言いたかった。
元就はしかし男が呟いた言葉が理解できずに、言葉を飲み込む。
ベッドの近くにあるテーブルに徐に手を伸ばし、男が何かを摘み上げた。
それは、白い小さな紙袋に入っていた―。
「……っ」
咄嗟に元就はそれに手を伸ばす。触れた瞬間に男が手を引いた。掠めただけで奪えなかった紙袋を見詰めながら、元就は小さく息を吐く。
「12時間後。あんたが、倒れてからもう10時間は経ってる。そろそろ時間なんじゃねぇか?」
処方箋に書かれた内容でも読んだのだろう。
コップがテーブルの端に置かれて、悪戯に元就から薬を遠ざけた腕が今度は薬を受け渡す。
大人しく受け取ってから元就は呆然と男に視線を向けた。
処方箋を読んだというのなら、これが何であるのかなど知っているはずだ。
「飲まねぇのか?」
答えの読み取れない表情で男がコップを手渡した。
視線を落とし暫く考え込んだ後、観念したように元就が薬を渡された水を使って嚥下する。
こくり、と喉を鳴らして飲み終わった途端に視界が突然動いた。
ベッドの端に腰掛けていた男が元就を押し倒したのだと気付くのに数秒掛かる。
「……お、まえ」
「警察には出したのか?」
見下ろされて問われる。
男の掌の下敷きになった手首が痛い。
「……いや」
「病院には行っといて?」
「…そちらの方が大事だろう?」
挑むように見上げれば男が笑った。
何故笑われねばならないのか、と文句の一つが出かけた唇が塞がれる。
無理に施された口吻に元就の思考が停止したのも束の間、空いた方の手で男の胸板を叩いた。
薄く開いた唇から男の舌が口内に侵入する。
歯列をなぞり戸惑う舌を捕えて、男は元就の口内を深く貪った。
嫌だ、と出かけた言葉は飲み込まれる。
長い接吻に呼吸も侭ならず、男が元就を解放したときには完全に息が上がっていた。
「…は、ぁ」
短く息を吸い込んだ元就を至近距離で男が覗き込む。
重力に従って落ちてきた銀髪が元就の頬に掛かった。
「……家まで送ってやるよ。そんなんじゃ、まともに歩けないだろ」
反論しようとした元就に男が意地悪く笑う。
「薬飲んだし、またすぐにぶっ倒れるかもしれない。…なぁ?」
「…え?」
至近距離だというのに更に距離を縮めて、耳元で囁かれた言葉に元就は小さく問い返すことしか出来なかった。
何を言ったのか理解できずに、けれど数秒後簡単に状況を把握した元就の頭は完全に恐怖に捕われる。
名を呼ばれた。知られてはいない筈だった、のに。
―そうだ、と元就は内心一人ごちる。
薬のことを知っていたということは、自分の持ち物は全て調べられていると何故すぐに気付かなかったのか。
鞄の中には社員証も免許証入っている。
名前も住所もすぐに知られてしまうことだった。
何事も無かったかのように男が立ち上がって、元就の腕を掴み上体を引き起こす。
「行くぞ」
有無を言わさぬ言葉に、元就は従うしかなかった。
ベッドの端に置いてある鞄を見つけてゆっくりと手を伸ばし、立ち上がる。
軽い眩暈がしたが倒れる前よりはマシらしい。
些か乱暴に腕を掴まれたまま、元就は男の後に付いて行く。
家まで送るという、それはきっと真実なのだろう。
ただ、元就にとっては一度だけの不慮の出来事で片付けようとしたことが、全く違う形を持ってしまったことが悔しかった。
>>うっかり続いた。現代パラレル親就(♀)。
なんだろう。元親が酷く得体の知れないものに見える。
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此処は思うがままにつらつらとその時書きたいものを書く掃き溜め。
サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
ブログ内文章無断転載禁止ですよー。
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