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ぽつり、大きなしずくがアスファルトを打った。
しまったなぁと思うのに既に時は遅い。傘は持ち合わせていない。天気予報じゃ確か晴れだったけれど、あくまで予報であったと言うことを忘れていた。最近は人工惑星の完全に制御された天候に慣れてしまって、本来はこうであったという感覚が抜けていたらしい。
「あーあ」
店の軒先で雨宿りをしながら。
雨が地面を叩く音、窓を叩く音、軒先を叩く音、それを聞く。ぱたぱた、と水音が混じる。
雨に濡れてしまわないように先ほど買った本を背負っていたデイパックに詰めて、両腕で抱えるように抱きしめた。
濡れてしまったら勿体ない。別に自分は濡れたって家に帰って風呂に入ってしまえば良いだけだけど。
とにかく傘を持っていないのだから雨足が弱まるか、止むまで待つしかなかった。
雨が、落ちる。
音も、落ちる。
壁に体重を掛けて膝を抱えながら、満ちる音に耳を傾ける。
そしたらどうしてだろう。
「うーん、冬さんに会いたいなぁ」
ふとそう思ってしまった。里帰りで人工惑星から地球に降りてきている日数は僅かだ。明日になればまた戻るし、そうすれば会えるのだけど。
理由もなく今、会いたいと思ってしまった。
音が満ちる。大地を潤す雨の音。きっと一緒に歌ったら凄く綺麗なのに。
そして雨が上がって虹が出たら空はとても澄んでいて、一緒に仰げたならとても良いのに。
(――なんか色々感化されてるかな)
同僚であり友人でもある人たちが素直に相手への思いをぶつけたりすることが多いものだから。
昔はこんな風に思ったりすることだってなかったのに、と隆景は雨の音を聞きながら思った。
>>そしてきっと数分後には、傘を持った冬さんが来るんだよ。
なんだか微妙に強化期間中の二人(笑)
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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