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大体ねぇ、おかしいのよあんたたち。
そうケーキを食べながら言い出したミュリアに首を傾げたのはジオットだ。
女性の中に混じっても遜色のない中世的な容姿もさることながら、所作に関して言えばそこらの女性よりも繊細である。
「ミュリアさん? なにがおかしいのでしょう?」
どう返せばと思っている中でおっとりとミュリアに問うた声。受付の制服を折り目正しく着込んだシャンパンブロンドの、浮かべた表情に少女の面影を残している、――シャロンだ。
「何がって……、」
予定が付いた時、メンバーが抜けることもあるがお茶をする面子というのは決まっている。
どうにもミュリア的には一般人らしからない雰囲気を漂わせた面子だと思うのだ。
シャロンはある国の貴族であるし、元就も日本で有数の名家の出身。ジオットはある国の名家の当主であるし、その横で黙々とパフェを口に運んでいるザークシーズに関して言えば、それらしくはないのだが元お姫様だ。
会話をしている時には余り感じないが、ふとした折の所作が全員違うのである。
優雅と言えばいいのか。しっかり教育を受けていると言えばいいのか。
「ああ、きっと理解して貰えないわ」
溜息混じりに吐き出して、ミュリアはケーキを食べるのを再開する。
「言って見なきゃ分からないだろうに」
しみじみとお茶を飲みながら言って寄越す元就に「無理よ」と呟いて、何故この面子の中に自分がいるんだろうときっかけを思い出そうとしたミュリアは、そういえばきっかけも何も自分がジオットにお茶を奢れと言ったのが始まりだったなと思い至る。
いつの間にか色々と増えて、このメンバーが固定なのだ。
「……あれ、そういえば」
「今度はどうしました?」
そうだ。日によってお茶をする面子の中に違う人間が混ざることもあるのだが、今日は面子の一人がいない。
自分の他でなら、その少女が一番一般人なのだが。
「隆景どうしたの?」
「隆景君なら、今日は用事があって遅れるそうデス」
ぱくりと最後の一口を食べ終えたザークシーズが答える。この時間になっても来ないと言うことは遅れる、ではなくもしかしたら来られない可能性も高い。
「ふうん。珍しいわね」
「ああ……、アポロンの仕事が入ったようでな」
「あら? それは大変じゃありませんの?」
「何、平気でしょう? 確かレイムさんと一緒ですから」
「そうですね。今、走って此方に向かってるようです」
のんびりとそう言ってのけてジオットが店に面した通りを指さした。
キャスケットを被った少年のような格好をした少女が全力で走ってくるのが見える。
信号で一旦停止した彼女は、青になるのと同時に駆けだした。
それをぼんやり全員で眺めて、笑う。
「あーあ、若いって良いわねぇ」
「ミュリアがそれを言ったら我はどうする」
「まだ二人とも若いデスヨ。私なんて最近少しでも無理すると直ぐにバテますからね」
「それはザクス姉さん、心配ですわ」
「おや…。義体の調子が悪いんじゃないですか?」
「そんなことは無いですヨ」
「まぁ、それは置いても旦那に相談した方が良いんじゃない?」
「嫌ですよ。そうじゃなくても心配性なんですカラ」
「お、おまたせ……!」
わいわいとした会話に、呼吸の整わないままの声が割り込む。
肩で息をしながら空いた椅子に腰掛けた隆景の目の前に、さっとメニューが差し出された。
>>ランチ仲間ではなくお茶仲間は少し年齢層が高い(笑)
でもきっとわいわい楽しいんじゃないかな。
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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