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「何だか大変だったのよ? 色々聞いたのよ」
オムライスを突っつきながらリムルが首を傾げる。何が大変だったっけと隆景は思い返したが、昨日の騒ぎのことらしい。内密だったはずが水面下で噂話は広がってるようだった。
「別に?」
「嘘吐いちゃ駄目なのよ。リムにはお見通しなのよ」
「どこから聞いたの、話」
「全くだ。閉口令が出てたはずだが」
「噂になってるんです。あのレイムさんが全力疾走って」
呆れたアンヘルと隆景を余所にしらっと言ってのけたのはニアだ。
くるくると癖のある髪に指を巻き付けては離す。その部分だけ癖が強まってくるりと巻いた。
「レイムさん頑張ったんだよ。ずっとずっと走ってたんだから」
「そういえばそんなこと言ってたね」
にこにこと上機嫌でパスタを食べていたヴィンセントもまた昨日の功労者だった。
「でもあのお転婆なお姫様には困ったものだよ。お姫様ってみんなちょっと突拍子もないものかなぁ」
「……アリス? どっかの貴族のお嬢さんなんだよね」
「うん。サランダのね、お姫様だよ」
「お姫様なのよ?」
「そうだよー。元々サランダの王家に繋がるおうちのお嬢さんなの。だから下手すればお姫様でしょ」
にこりと笑ったヴィンセントが言った言葉に成る程と頷いたのはニアだけだった。
「確か双子の妹さんの方でしたね」
「あれ? ニアは知ってるの?」
「話だけは聞いてます」
「そっかぁ。だってニアも下手すればお姫様だものね」
その言葉にニアは曖昧に笑ってみせる。
確かにニアの母親は、ある国の王家から違う国の男の元へ半ば駆け落ち状態で結婚したのだから、強ち間違いではない。
余り知られてはいないが、ニアは王家から援助を受けていない代わりに王位継承者候補として地位が与えられていた。
「エノーもね、苦笑してたよ。とんでもない子ですネ、って」
「そうか」
「でもエノーも結構とんでもないよね」
並の男じゃ敵わないし、とさらりと言ってのけたヴィンセントが食べ終わった皿を少しだけ押して、伸びをした。
「うーん。王族って結構とんでもないものかもね」
色々思い返して、しみじみと言った隆景の言葉にその場にいた全員が「確かに」と頷いた。
>>ランチ仲間のうわさ話
間違いなく噂の中心は全力疾走のレイムさんだと思う
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サイトにあげる文章の草稿や、ただのメモ等もあがります。大体が修正されてサイトにin(笑
そんなところです。
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