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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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空が哭く。そうだと知れて、……目を瞑る。
全てを享受するため。自分を取り巻く全てを否定するため。

「……なんて馬鹿なことを」
「君に何が分かるっていうの?」
「分からない。分かりたくはない」
「なら、黙っているんだね」

嘗ての幼馴染に冷たく言い放って、至高の色を宿した瞳をキラは細めた。
目の前に広がるのは戦場の跡。
誰もこの自由の翼を持つ男には敵わない、と唯一敵うかもしれないアスランは唇を噛み締める。
いつから狂ってしまったのか。
精神的に追い詰められたのは、自分であったのか目の前の彼だったのか、もう分からない。
ただ…。
平和のため、その為に…と惜しげもなく行使される自由の翼の脅威に苦い思いを抱くしかない。

「キラ」
「…なに?」
「きっと、……お前、後悔する。することになる」

一つ一つ言い聞かせるように言ったアスランに、不意に厳しげだった表情を歪めてキラが呟いた。
小さすぎて風に攫われてしまえば聞こえない。
その音を注意深く拾う。

「…そんなこと、今更だよ」

その声は、撃ちたくないと言った過去と被る。
長い前髪に遮られていまいち表情が良く見えないアスランが手を伸ばそうとした。
寸前で払われた手に呆然とすると、先程までの表情など微塵も見せず作り物かとも思える笑顔でキラが笑う。


「ねぇ、アスラン?」
「…キラ」
「教えてよ。…なら、どうやって平和は出来るっていうの?」

瞬間。
この純粋な魂は、故にどこか軋みを立てて、中から少しずつ壊れてしまったのだと、アスランは痛感した。
そして救いは何処にあるんだろう、と困ったことを考え始める。

きっと答えは、枠の外にあるのだろう。




>>どちらかといえば、一方的にキラが壊れたのではなく。
   アスランもキラも、少しずつ緩やかに壊れた感じで(?)
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