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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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ことことと火に掛けた薬缶が音を立てる。
その音で目を覚ますことに慣れ始めたオズが一番最初に口にすることと言ったら、これだった。
「おはよ…」
「もうお早うの時間じゃないけどな」
少しだけ笑いを含んだ声が、その後に「おはよう」と続ける。
記憶よりも低い声に、けれど自分をまっすぐ見詰めてくる金色の瞳の色は変わらずそこにあるので笑うのだ。
「そういえば」
「……うん?」
「ギルさ、どこまで庶民派なんだろって思って」
「は?」
「だって一応、貴族なのにさ」
手際の良い動きを追いながら話しかければ、困ったように少しだけ首を傾げた。
ああ、その仕草は変わらないんだなぁ。
「別に。ただ、落ち着くというか」
「うん? 料理したり掃除したり?」
「ああ」
「そっか」
話しかけられても全然気にしない素振りで朝食は出来上がっていく。
ソファに掛けて後ろ姿を眺めながら、これはこれで良いのかとオズは思い直した。
「オズ?」
会話が途中で切れてしまったことを訝ったのか、声が掛かる。
「うん。まぁ、良いかなぁって思ってさ」
出てくる料理は美味しいし。
こうやって朝食を作る音で目を覚ますのも悪くない。
「……?」
「ギルは料理上手だしね」
振り返ったギルバートに満面の笑みを浮かべると、やはり困ったように笑って返す顔に幼い面影が見えた気がした。



>>ギルのおうちにいる間、こんなだったかなという想像。
   どうにもこうにも(苦笑)
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そんなところです。

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