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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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それは言ってしまえば唯の気紛れで、悪戯であった。
隣で親指の爪を囓りいつも通り膝を抱え込む座り方でモニターを見詰める横顔に、そこに声を掛けてみたのだ。
日本語ではなく英語で。
それは本当に他愛もない悪戯でほんの少しの出来心でしかなかった。
だからいつも通り「何言ってるんですか?」とか或いは「私もです」と軽く飄々と流されるものだと思っていた。
「…えっ?」
だからひっくり返った声と驚きで丸くなった目を此方に向けた時、珍しいとかしてやったと思う前に何だか悪いことをした気がしてしまった。
少しだけ困ったように揺れた漆黒の瞳は不思議と綺麗だったので。
「……冗談だよ」
息を吐き出すのと同時に声を絞り出す。じっと窺うような目線が居た堪れ無くなって目を逸らす。
それでも視線は向けられたままらしい。
「…夜神君」
「うん?」
「私は、その手の冗談は嫌いですよ」
その言葉に思わず反論し掛ける言葉は飲み込む。確か竜崎は前に一度海砂に冗談とも本気とも取れる表情で飄々と「好きになりますよ?」と言ったことがあったはずだ。それと同じような言葉ではないか。
それなのに何故、前髪に隠れた眉を密かに寄せて言うのか。まるで痛みを隠すような仕草をするのか。
「悪い」
困ったことに謝る以外になくて短く謝罪すれば少しだけ目を細めて「いえ、私の方こそ大人げなかったですね」と返ってくる。別に竜崎が大人げないのは今に始まったことではないので気にはしないが、何故か言ってしまった言葉と目の前の竜崎の態度が結びつかなくて分からなくなってしまった。
息苦しい僅かな沈黙に音を立てないように息を吐き出す隣で、注意しなければ聞き取れない微かな声が言葉を紡いだ。


――Only it did not want you to say to me as a joke.



>>月が言った言葉はタイトル通り。
  Lが返した言葉は、一番最後の一文。

  あなたにだけは冗談でも言って欲しくなかった言葉。

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