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謂わばネタ掃き溜め保管場所
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葉巻一つ。くるりを巻いて火を付けて、それはそれで高尚な嗜好品であろうに吐き出された煙に眉を僅かに顰めた男に、あろう事か煙を吐き出した騎士団長は笑った。
色素の極端に薄い茶の髪が僅かばかりに揺れ、合わせるように煙も踊る。
「何です」
「いや、久しぶりに見たと思っただけだな。お前のそういう顔」
くつくつと笑う騎士団長を一瞥しただけで何も言わない男は、ふとくゆる煙に視線をくれた。
何とも窓から覗く空模様はすこぶる快晴で、室内で大の男二人が籠もっているのは如何なものかという気にさせられる。
深緑の瞳を瞬かせ、少しの間沈黙を持て余した男が慣れた手付きで騎士団長が咥えていた葉巻を奪った。
此方も慣れているのか声一つ上がらない。
「なんだ、欲しいなら一本新しいのをやるが」
「結構です」
直ぐに揉み消してやろうかと落とした視線は、手の中でゆらりと紫煙をあげる嗜好品に止まる。
ついで窓の外の酷く暢気とも取れる快晴。
目の前には自分より年上の騎士団長。歓談と称した報告は機密事項ばかり。挙げ句、報告が終了した後言い渡される任務も碌でもないのは容易く想像出来る。
勿論目の前の壮年の団長閣下も同じように半ばこの状況に辟易しているのか。
自分の望みの為に、大義名分の為に動くくせに。酷く人間らしいじゃないかと思い直した男は表情には出さず、奪い取った葉巻を咥えた。
ふっと煙を吐き出す時に、思いつく。
そうか。これは溜息を誤魔化す手段には丁度良い。


>>まいたけと白鳥。
   なんか大人は良いよなーと思う。どうだっていいことでぼやかせても味が出そうで(笑
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